
UIとは?目的、UXとの違い、重要性をわかりやすく解説
スマートフォンやIoT製品が広く普及したことで、私たちは日常的にデジタルサービスに触れる環境にあります。
操作のしやすさや分かりやすさが、ユーザーがサービスを選ぶ大きな基準になっています。どれほど便利な機能を持っていても、操作が難しかったり、わかりづらかったりすると、ユーザーは離れてしまいます。
こうした背景から、アプリやWebサイトの開発・改善において「UI(ユーザーインターフェース)」という言葉を耳にする機会が増えています。
本記事では、UIの基本的な定義、よく混同されるUXとの違い、そしてUIがなぜ重要視されているのかをわかりやすく解説します。
UIとは?
UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、ユーザーがシステムやサービスとやり取りをする「接点」を指します。
具体的には、Webサイトやアプリの画面に表示される以下のような、ユーザーの操作に関わるすべての要素を指します。
- ボタン
- テキスト入力欄
- メニューやナビゲーション
- 使われている色やフォント、レイアウト
- クリックした際のアニメーション
など
UIの目的は、単に見た目を整えることと捉えられがちですが、本質は「ユーザーが迷わず、快適に目的を達成できるように導くこと」です。
そのためには、利用シーンやユーザー層を考慮した設計が必要となります。
例えば、若年層向けエンタメ系アプリの場合は、世界観を強調する装飾的なビジュアルや、情報量が多くても操作しやすい直感的なUIが考慮されたり、行政アプリや公共サービスのように幅広い年齢層が利用するサービスでは、誰にでも視認性が高く、迷わず操作できるシンプルで明快な設計が考慮される傾向があったりします。
このように、UIはサービスの目的や利用者に合わせて最適化されるべきものであり、ユーザーに価値をわかりやすく伝えるための仕組みといえます。
UIが近年重要視されている理由
UIが重要視されるようになった背景には、主に次の3つの理由があります。
1. デジタルサービスの普及
スマートフォンやアプリが生活のインフラとなり、あらゆる場面でデジタルサービスを利用することが当たり前になりました。
利用機会が増えたことで、「使いやすさ」が日常の満足度に直結するようになっています。
2. 市場の競争激化
多くの市場で、機能や価格だけでは差別化が難しくなっています。
同じような機能を持つサービスが並んだとき、ユーザーは最終的に「より使いやすい」「触っていて心地よい」と感じるサービスを選びます。
つまり、UIの質がビジネスの競争力を左右する要因になっています。
3. ユーザーの期待値の向上
使いやすいアプリやWebサイトが増えたことで、ユーザーの期待値も高まっています。
一度「使いにくい」と感じると、すぐに他のサービスへ乗り換える行動が一般的になっています。
そのため、UIの品質はサービスの継続利用や評価にも直結します。
UIとUXの違いについて

UIと混同されやすい言葉に「UX」があります。
UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスや製品を利用する過程で感じる体験全体や価値の総体を指します。
これは単に「使いやすさ」だけでなく、楽しさや満足感、利便性なども含まれ、製品やサービスに触れる前・利用中・利用後のすべての体験が含まれます。
たとえば、QRコード決済アプリの場合、「店舗でスムーズに支払いができる」「手数料無料で友人に送金できて便利」「アプリ内でポイントを運用できて楽しい」 といった一連の体験がUXです。
一方、UIはそのUXを実現するための「操作の入り口」であり「接点」です。たとえば、「支払いボタンがどこにあるか」「送金の手順がわかりやすいか」「ポイント画面が見やすいか」といった部分がUIにあたります。
英語の「Interface」には「境界面」や「つなぎ目」という意味があります。
まさにUIは、ユーザーとその体験(UX)をつなぐ橋渡し役といえます。
この2つを正しく理解し区別することで、より効果的なサービス設計が可能になります。
UXの詳細な考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ [UXとは何か:定義・事例・戦略・AI活用で総合的に解説]
使いやすいUIを実現する基本ポイント
ユーザーにとって使いやすいUIには、一般的に次のようなポイントが大切とされています
1. 一貫性が保たれているか
UI設計において「一貫性」は、ユーザーを快適に目的を達成できるように導くための、基本要素とされています。
たとえば、画面ごとにボタンの位置やデザインが異なると、ユーザーは迷ってしまいます。
操作方法や見た目に統一感があれば、ユーザーはマニュアルを見なくても自然と次の操作を予測できます。
そのため、全体を通して同じルールやパターンで設計することが重要です。
2. 適切なレスポンスがあるか
ユーザーは、自分の操作に対して「正しく反応があったか」を無意識に確認しています。
たとえば、アプリのボタンを押しても反応がなかったり、登録後に完了メッセージが表示されなかったりすると、不安を感じてしまいます。
そのような不安を防ぐために、操作結果を伝えるアニメーションやメッセージなど、ユーザーの期待に沿ったレスポンスを設けることで、安心感と信頼性の高い体験を提供できます。
3. ユーザー視点に立っているか
UIは常にユーザー視点で設計される必要があります。
しかし、実際の開発やデザインの過程では、気づかないうちに制作者側の都合で変更されてしまうケースも少なくありません。
そのため、常に「このUIはユーザーにとって本当に使いやすいか」という視点を持ち、ユーザーの利用する目的や環境を考慮しながら設計していくことが大切とされています。
まとめ
UIは、ユーザーとサービスを結びつける大切な架け橋です。優れたUIは、単に見た目を整えるだけでなく、ユーザーが迷わず心地よく目的を達成できる体験を支えます。
デジタル化が進む昨今において、UIはユーザーへ与える印象や行動に大きな影響を与えるため、重要性がますます高まっています。
アツラエでは、UI/UX設計や改善支援、ユーザーテストなどを通じて、より良いユーザー体験の実現をお手伝いしています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
