
AsIs/ToBeとは?現状と理想を整理してプロジェクトをスムーズに進める方法
「新しいサービスを開発したり、既存のサービスを良くしようとしているが、なかなかうまく進まない」
「プロジェクトの途中で目指す方向がブレてしまい、関係者間で認識が合わなくなってしまった」
もし、このような悩みがあるなら、その原因は「現状の把握」と「目指すべき理想の姿」の整理が曖昧になっていることかもしれません。
「AsIs」「ToBe」は、現在の状況を整理し、目指す理想の状態をはっきりとさせるための手法です。
今の状況が曖昧なまま進めると、本当の課題が見つけられなかったり、重要度の低い問題にリソースを使ってしまうことがあります。
また、目指す姿が不明確な場合は、途中で方針がぶれたり、利用者にとって良くない結果を招く可能性もあります。
こうした失敗を避け、プロジェクトを成功させるためには、関係者全員が同じ目標を共有することが大切です。
AsIs/ToBeとは?
AsIs(アズイズ)
AsIsの定義
AsIsとは、現在の状況を事実ベースで把握し、整理したものを指します。
アンケートやシステムの利用記録など、数字や事実に基づいたデータを基に、
「今どんな問題があるのか」「成長を妨げている要因は何か」「すでに実現できていることは何か」といった事実を明らかにします。
AsIsは、後述するToBe(理想の姿)を検討するための土台となるため、
できるだけ多様な立場の関係者から情報を集め、客観的かつ網羅的に整理することが重要です。
AsIsの目的
AsIsの目的は、現状を整理することで、改善すべきポイントを明確にすることです。
そのため、現状の良い面(強み)と悪い面(課題)をどちらも偏りなく把握します。
課題ばかりに注目するのではなく、現時点でうまく機能している点や、強みも正しく理解することで、
数ある課題の中でどれを優先して解決すべきか、どこにリソースを投入すべきかが判断しやすくなります。
ToBe(トゥービー)
ToBeの定義
ToBeとは、組織やプロジェクトにおける「理想の状態」や「目指す姿」を明確にしたものを指します。
AsIsで整理した現状を踏まえ、「本来どうありたいのか」「将来的にどのような価値を提供したいのか」といった未来の姿を描き、現状とのギャップを明らかにします。
AsIsが事実を土台にするのに対し、ToBeはビジョンとして描くことが特徴です。
チーム全員で共通の未来像を描くことで、意思決定がスムーズになり、プロジェクトの途中で方針がぶれるリスクを抑えることができます。
ToBeの目的
ToBeの目的は大きく2つあります。
1つ目は、「目指す姿」をチーム全員で共有し、共通認識を持つことです。
共通のゴールが明確になることで、プロジェクトを進める中で目標がブレることを避けられます。
2つ目は、AsIsとのギャップを把握することです。
客観的な情報をもとに作られたAsIsとToBeを比較することで、「今何が足りていないのか」「次に何をすべきか」を明確にできます。
これにより、解決すべき課題へのリソースの配分を考えやすくなります。
AsIs/ToBeのメリット
AsIs/ToBeを設定することのメリットは以下のようなものがあります。
①課題の本質を特定しやすくなる
AsIsとToBeが明確になることで、解決すべき課題そのものが見えやすくなります。
それにより課題を解決すること自体が目的化してしまう状況を防ぎ、常にゴールを意識した判断が可能になります。
②施策の方向性を説明しやすくなる
UI/UX改善や新規開発では、関係者間の合意形成が欠かせません。
AsIs/ToBeを用いることで、「現状の課題」「目指す姿」「取り組む理由」を客観的に示せるため、
社内の合意形成が進めやすくなります。
③関係者間のコミュニケーションがスムーズになる
関係者間で前提を共有できるため、認識のズレや誤解が減り、
プロジェクトの進行がスムーズになります。
AsIs/ToBe設定の流れとポイント
①AsIsから設定する
AsIs/ToBeを検討する際には、AsIsから設定するケースが一般的です。
最終的なゴールを整理するには、まず現状を正しく把握することが最初の一歩であるためです。
また、AsIsは現状に基づいた情報をベースにするため、未来を想像していくToBeよりも、
比較的整理しやすいという特徴もあります。
ポイント
・データや事実を基に整理する
AsIsは、事実に基づいた現状把握が前提です。憶測ではなく、ユーザーの行動データ、アンケート、ヒアリング結果など、
客観的な情報を活用することが大切です。
・できている点と課題両方を整理する
問題点だけでなく、現時点で機能していることや、強みを把握することで、解消すべき課題の優先順位付けや、この後設定するToBeの具体化にも役立ちます。
・幅広い関係者を巻き込む
プロジェクトに直接関わる関係者だけでなく、間接的な関係者など様々な立場の人を巻き込むことが大切です。
これにより、予想外の視点からの意見を得られたり、プロジェクト外のメンバーにも共通認識を形成できます。
②AsIsを設定した後に、ToBeを設定する
AsIsを整理した後、その内容を踏まえてToBe、つまり「理想の姿」を描きます。
現状を知った上で、自分たちはどんな姿を目指すのか、意見を出し合い方向性を形にしていきます。
ToBeは、AsIsと比較してビジョンや目標といった定性的な要素も絡むため、議論が白熱することもあります。
議論をまとめるためには、KPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)など、
数値で測れる指標も活用し、共通認識を揃えることが効果的です。
ポイント
・実現可能な理想像を描く
理想の姿は自由に検討するものですが、現実的に達成できる範囲にとどめましょう。
目標が極端に高すぎたり、現実離れしていたりすると、具体性が薄れ、メンバー内の共通認識としての効果が薄れてしまう可能性があります。
・図や指標など共有しやすい形で可視化する

文章のみであったり、表現が曖昧だと、メンバー内の共通認識としての効果が薄れてしまう恐れがあります。
そこで、設定したAsIs/ToBeには文章だけでなく、上記のような図・指標・フローなどを使って目に見える形にすることも効果的です。
また「カスタマージャーニーマップ」などと併用することで、
具体的に実現したいユーザーの行動の流れが明確になります。
③ギャップを明確にし、やるべきことを整理する
AsIsとToBeを比較し、足りない点や取り組むべき課題を整理します。
この手順によって、チーム全体が目指す未来に対して、
現時点で実現できている「強み」と改善が必要な「課題」が見えてくるはずです。
そして、どの課題を最優先で改善する必要があるのかも判断できます。
優先度が明確になることで、プロジェクトの進行がスムーズになります。
まとめ
AsIs/ToBeは、現状と理想を整理し、プロジェクトの方向性を明確にするための手法です。
AsIsでは、現状の課題や強みを客観的に把握します。
ToBeでは、理想像や目指す姿を描き、チーム全体で共有します。
この二つを整理し、そのギャップを明確にすることで、優先すべき取り組みが分かりやすくなり、
プロジェクトの方向性がぶれにくくなります。
また、チーム内のコミュニケーションもスムーズになります。
株式会社アツラエでは、AsIs/ToBeの設定を含むプロジェクト初期段階からの伴走支援を行っています。
UI/UXデザインの専門家が中心となり、ワークショップ形式で議論を進めながら、お客様ごとに最適な答えを共に導き出します。
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